2012年12月10日月曜日

四大名捕(ドラゴン・フォー 秘密の特殊捜査官 / 隠密) 2012|刘亦菲、邓超に恋する


今年(2012年)の夏

四大名捕》 2012

という映画が公開されました。

今年(2012年)の刘亦菲の映画には、あと秋に公開された 《铜雀台》 があります。刘亦菲の2012年は、充実の年だったように思います。

《四大名捕》というのは、まずは温瑞安という人が書いた武侠小说です。温瑞安という人はマレーシア出身で、台湾大学に留学しています。

なんかの理由があって、台湾を追い出され、香港や大陸で、武侠小说家として活躍しているようです。つまり、温瑞安は、金庸後の新世代(と呼ぶにはおっさんですが…)の武侠小说家です。

《四大名捕》は、中国語圏で何度かテレビドラマ化されています。《四大名捕》とはなんなのかというと、つまりは《必殺仕掛人》です。《必殺仕掛人》とは、権力の走狗が悪者を懲らしめるお話でした。

温瑞安は、《必殺仕掛人》シリーズのテレビドラマとか、原作小説に触発されて《四大名捕》を書いたように思いますが、本当かどうかはわかりません。

《四大名捕》の師匠(親分)が、诸葛正我(神侯|小花)という人です。诸葛先生が率いる4人の弟子=四大名捕は、こんなメンバーです。

无情(盛崖余)
铁手(铁游夏)
追命(崔略商)
冷血(冷凌弃)

《四大名捕》 2012 では、诸葛先生は神侯府という皇帝直属の特務機関を運営しています。映画は、神侯府の新たなメンバーとして、追命と冷血が加わるところからはじまります。どんな役者構成かというと、こうなっています。

无情(刘亦菲
铁手(邹兆龙
追命(郑中基
冷血(邓超

わあ。なかなかの豪華メンバーです。とはいえ、出来のいい中国映画なんてめったにないわけだし、とりわけ刘亦菲が出る映画はひどいのがお約束なので、多くを期待してはいけません。でも、刘亦菲が出てるんだから、見ないわけにはいきません。

しかし、なんで刘亦菲がここにいるのでしょうか? 彼女が男装して无情を演じるのであれば、うきうきしてしまいそうですが、そうではありません。彼女は車椅子に乗る障害者であり、テレパシーとテレキネシスを駆使します。

ファンタスティック・フォー
わあ。なんで? この映画の英語タイトルは 《The Four》 です。《Fantastic Four》というアメリカンコミックがあります。4人の若者が超能力者となってしまい、悪と戦う物語で、アニメやドラマや映画にもなっています。

そうなのです。この映画の四大名捕たちは、超能力者に改編されているのです。どんな超能力かというと、こんな具合です。

・无情
擅长读心术和意念控物
(テレパシーとテレキネシスに長ける)
・铁手
双臂拥有神力,懂制作工具
(むきむきな体になって機械を工作する)
・追命
最大的特点就是腿功无敌,跑得快
(走るのが速く、飛ぶがごとくである)
・冷血
被狼养大,身中狼毒,情绪激动会变身狼人
(狼に育てられた狼男)

X-メン
冷血が、狼に育てられた狼男であることに注目しましょう。原作小説でも、冷血は狼に育てられたようですが、“超能力者としての狼男”というキャラクターとして思い出されるのは《X-メン》でしょう。

そうなのです。《四大名捕》 2012 とは 《Fantastic Four》というマーベルコミックよりも、より 《X-Men》というマーベルコミックであり、実質的には2000年から作られた、プロフェッサーX が率いるミュータント軍団が地球の危機に立ち向かう  《X-MEN》  シリーズなのです。

そういうわけで、この映画は、はじめから三部作であることが決まっています。監督は、陈嘉上という人です。このブログでは、こんな陈嘉上作品を見ています。

武状元苏乞儿》 1992
画皮》 2008
画壁》 2011

蝴蝶(方安娜
ツイ・ハークが、お笑い映画を作れないのと同様に、質は違うのですが、この人もお笑い映画を作りきれない監督のように思います。悪しき例が、《武状元苏乞儿》 1992 と 《画壁》 2011 です。

郑中基を使うからには--という気持ちで、お笑い的な要素を付加したいのだとは思うのですが、失敗しています。

郑中基と陈嘉上
でも、刘亦菲が出る限り、物語を重くしてしまうという法則は、よく理解しているように思います。刘亦菲ファンにとっては、久しぶりに彼女らしい彼女に出会えます。

来年(2013年)には、PART2とPART3が公開されるようなので、楽しみにしておきましょう。

ちょっと気になるのが、铁手が恋する蝴蝶を演じる方安娜です。

劉亦菲[2012.06.23]電影《四大名捕》主題曲《夢不死》


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