2013年1月5日土曜日

人再囧途之泰囧 2012|異国情緒はタイにある!



人在囧途》 2010 という、大作ではないもののゲリラ的にヒットした映画があります。その続編というかPART2みたいな映画が、これです。

人再囧途之泰囧》 2012

2012年12月12日に公開され、まだ1か月も経っていないというのに、2013年1月7日現在、豆瓣では20万人近くの人が投票して、7.8という高評価を得ています。本当の数字がどうかはわかりませんが、大ヒットしていることは間違いないようです。

《人在囧途》 は、現在においても昔のままの風景のなかで、昔のままに生きている中国人を描いて、中国の人々を大爆笑させました。昔のままの中国は、それはそれで現在においても現実だからです。 《人在囧途》 の豆瓣での評価は、18万人近くの人が投票して7.4です。

 “囧jiǒng” については、《人在囧途》 にも書きましたが、ここにも書いておきます。中国のネットで、orz に相当する意味の顔文字として使われるのが “”  です。orz というアスキーアートは、_| ̄|○ に由来するそうで、「がっかり」「がっくり」といった意味だそうです。“人再囧途之泰囧” は、“どたばた珍道中再び--タイ編” みたいな意味でしょう。

《人再囧途之泰囧》 も、《人在囧途》 と同じ徐峥王宝强のコンビが登場します。また、徐峥のライバルとして、チャウ・シンチーの 《西游・降魔篇游》 では孙悟空を演じるお笑い役者黄渤が加わります。ゲスト(客串)は范冰冰で、范冰冰として登場します。

徐峥は、この映画で監督デビューしています。

彼らは、今回はディープな中国に紛れ込むのではなく、タイトルにあるようにタイに行きます。

たとえば 《東京暗黒街・竹の家》 1955 というサミュエル・フラーの映画があります。異国情緒な映画に描かれる外国というのは、もの珍しい風景や人々の生活です。観客の視点も、文明国から見た植民地とか発展途上国ということになります。

大きな変貌を遂げつつある中国は、内に古い中国を抱えつつ、外国を旅する娯楽映画に異国情緒を持ち込みました。

歴史ものや文芸ものでは、中国映画でも幾度となく外国が描かれているはずです。しかし、娯楽ものに異国情緒が持ち込まれたということは、すなわち中国は文明国になったということです。

なんでタイなのかというと、たとえば日本であった場合、それは異国情緒な視線というよりも憧れみたいな視線になってしまうからです。また、物価の問題だってあります。タイこそは、中国人にとって異国情緒をお手軽に味わえる旅行先なのでしょう。

どんな物語なのでしょうか。

徐朗(徐峥)は、“油霸”という薬品を発明します。自動車にガソリンを2/3だけ入れて、“油霸”を2滴たらすと、あら不思議満タンになってしまうのです。高博(黄渤)は、この発明をフランス企業に売ろうとするのですが、徐朗はさらに研究を続け、“油霸”の機能アップをもくろんでいます。

徐朗と高博は会社の株主でもあるのですが、会社としての最終決定権は最大の株主・周扬にあります。今、周扬はタイにいます。こうして、徐朗と高博は自分の計画を周扬に承認させるため、タイに向かいます。徐朗が、飛行機の中で隣り合わせたのが王宝(王宝强)だったのです。

日本で上映される中国映画は、役者の高年齢化が著しいわけですが、そういうのが中国映画だと思っている人には、范冰冰の動向が気になることでしょう。安心してください。范冰冰は、《还珠格格》 のテーマミュージックとともに登場します。

《泰囧》范冰冰制作特辑


人再囧途之《泰囧》搞笑片段2Lost in Thailand 2012

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