2013年5月6日月曜日

河东狮吼 2002 -- 张柏芝vs范冰冰+古天乐



たとえば、杨幂を好きな中国人の女性はあまりいません。女性が美女な女優を好きではないというのは、それはそれで普通なことなのでしょう。ところが、中国語圏では、张柏芝(セシリア・チャン)ファンの女性が少なくないように思います。

個人的には张柏芝に特に魅力を感じるわけではないのですが、彼女の発言とか経歴とか、あるいは人生とかが、中国語圏の女性にとっては魅力のあるものなのかもしれません。

河东狮吼 2002

という映画は、香港返還後、元気のなくなってしまった香港映画に、それなりに元気を与えたと言ってもいいように思います。主演は张柏芝と古天乐で、当時の超売れっ子の二人ということだと思います。

昨年(2012年)には、10年ぶりにPART2が作られています。

河东狮吼2 2012

“河东狮吼” ってなんなのよ? 講談社の中日辞典第3版によると “河东狮吼hé dōng shī hǒu:嫉妬深い女性が大声でわめくこと” と書かれています。河东のライオンが吼えるといった意味でしょうか。

じゃ、それってどういう意味なのよ? 百度百科に頼ってみましょうか。宋時代に苏轼(苏东坡)という役人であり詩人である人がいたわけですが、苏轼は同僚の讒言によって左遷させらてしまいます。

その地で、苏轼は陈慥という、やはり詩の好きな人とお友達になり、彼らはしょっちゅう酒を飲みながら、歌を歌う女の子とか踊りを舞う女の子を呼んで、詩論やら仏教論議などを交わしていたそうです。これを面白くないのが陈慥の奥さん--姓は柳--です。

この奥さんは、苏轼と陈慥の女の子を呼んでの宴会を禁止するのですが、やっぱり苏轼と陈慥は女の子を……というような物語が由来のようです。もちろん、姓柳はこれを見逃しません。というわけで、“河东狮吼”とは “やたらと強い奥様” というような意味のようです。

“河东狮吼” をテーマにしたお芝居やドラマ、映画はたくさんあるわけで、この映画もそのなかのひとつということになります。

見どころは、もちろん強い张柏芝と情けない古天乐です。ところが、これにからむのが郡主・范冰冰です。《超时空救兵》 2012 では、郡主とは単に王族の娘という意味だったように思いますが、この映画では皇帝の娘です。

张柏芝と古天乐は、香港返還後の映画界を担ってきた二人のようには思いますが、どちらも決定打に欠けるような気がします。

0 件のコメント:

コメントを投稿