2012年12月2日日曜日

笑傲江湖之东方不败(女神伝説の章) 1992


笑傲江湖》 1990 に続いて、ツイ・ハークがプロデュースしたのが

笑傲江湖之东方不败》 1992

のようです。

ウィキペディア《スウォーズマン》の項では、《笑傲江湖》 1990 について、こんなことが書かれています。

“金庸はキン・フー映画のファンであった為に映画化には彼を指名。悪知恵の働くツイ・ハークは途中でキン・フーを追い出してしまうが、時間が足りなかったので無許可でキン・フーが監督したカットを利用した。大人の態度で許したキン・フーだが決して気分のよいものでもなかっ
た”
       --『武侠小説の巨人 金庸の世界』岡崎由美著

ツイ・ハークが、ずいぶんと悪者扱いされています。でも、ぼくはツイ・ハーク+李连杰(ジェット・リー)のワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナは好きです。

また、ウィキペディアにおいては、《笑傲江湖之东方不败(スウォーズマン/女神伝説の章)》について、こんなことも書かれています。

“「東方不敗」を演じたブリジット・リンはこれで「男装の麗人」のイメージを確立させた。”

へんてこりんな格好をすることを、中国語では“服妖”と言います。また、女が男装するのが“女扮男装”、男が女装するのが“男扮女装”です。

しかし、この映画で、あるいは他の《笑傲江湖》の映像もので、“東方不敗”は“男扮女装”ではあるものの、いったいどこの“東方不敗”が男装したというのでしょうか。

そういうことはともかく、この映画に登場するのはこんなメンバーです。

令狐冲(李连杰
岳灵珊(李嘉欣
任我行(任世官
任盈盈(关之琳
蓝凤凰(袁洁莹
向问天(刘洵
东方不败(林青霞
东厂千户(黄子扬
杨诗诗(余安安
洪门达(张国梁)
服部千军(李子雄)
猿飞日月(钱嘉乐)

いよいよ东方不败が登場し、令狐冲を演じるのは李连杰(ジェット・リー)です。东方不败が登場するのであれば、任我行や向问天だって登場します。

でも、この映画の監督として

程小东

がクレジットされたとき、この映画に期待してはいけないことがわかります。たとえば、このブログでは程小东ものとして

《白蛇传说》 黄圣依
白蛇传说》 2011

を見ました。黄圣依李连杰も、あまりにかわいそうでした。

もしかしたら、李连杰って、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ以外にはいい映画がないのかもしれません。

《笑傲江湖》には関係ありませんが、《白蛇传说》と言えば、劇中劇ではあるものの、刘镇伟(ジェフ・ラウ)の《尸家重地(オカルト・ブルース)》を思い出したいと思います。

物語的に言うと、《笑傲江湖》 1990 あるいはこの《笑傲江湖之东方不败》 1992 が、なんでだめだめなのかというのは、林平之がいないために、令狐冲と、盈盈と灵珊の関係があいまいになってしまっているからです。

もしかしたら、王家卫ウォン・カーウァイ)が《东邪西毒(楽園の瑕)》を構想した、直接のきっかけは《笑傲江湖》 1990 だったのかもしれません。

そんなわけで、林青霞(ブリジット・リン)と言えば、ぼくたちがまず楽しむべきは《東成西就 1993(大英雄)》で“大海无量”という武功を披露するシーンでしょう。

《東成西就》 1993 林青霞“大海无量”
東成西就大英雄)》 1993 / 《東成西就 2011》 の監督、刘镇伟(ジェフ・ラウ)は、性懲りもなく、《出水芙蓉》 2007 において “大海无量” を復活させます。

《出水芙蓉》 には、心に傷のある女の子役として、黄圣依も出ていました。

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